終活を考え始めたとき、多くの方が悩むのが「実家をこの先どうするか」という問題です。
長年暮らしてきた家には思い出が詰まっている一方、誰も住まなくなった実家は、管理や費用の面で大きな負担になることもあります。特にシニア世代にとっては、「自分の代で整理しておくべきか」「相続人に任せてもよいのか」と迷うテーマではないでしょうか。
誰も住まない実家が抱える現実的なリスク
不動産の相談内容で多いのは、相続をきっかけとした売却です。
実際、相続後に「使い道がない実家」を引き継ぎ、対応に困るケースは少なくありません。ほかにも、住み替え資金の確保や、施設入居に備えた資産整理として売却を検討する方もいます。
誰も住んでいない家でも、固定資産税や火災保険料は毎年かかります。さらに、定期的な換気や草木の手入れを怠ると、建物の傷みが早まり、結果として不動産価値が下がってしまうこともあります。
「近所だから管理できる」と考えていても、年齢とともに負担になるケースは多く、早めの判断が将来の安心につながります。
売却を急がなくても、まずは“知ること”が大切
すぐに売ると決めていなくても、実家の価値を把握しておくことは終活の一環として有効です。
不動産の査定は無料で行われることが多く、現在の相場を知ることで、家族や親族と具体的な話し合いがしやすくなります。 感情的に手放しづらいという気持ちは自然なものです。だからこそ、数字や客観的な情報をもとに、どの選択が自分や家族にとって負担が少ないのかを考えることが大切です。
家族・親族との話し合いはいつ始める?
実家の扱いについては、できるだけ早い段階で家族と共有しておくことが望ましいでしょう。
特に、相続が発生してから話し合うと、意見の食い違いが起こりやすくなります。元気なうちに「誰が住むのか」「売却の可能性はあるのか」「思い出の品はどうするか」などを整理しておくことで、将来のトラブルを防ぎやすくなります。
継ぐ人がいない場合、売却という選択肢
もし相続人がいても、誰も住む予定がない場合は、売却を前向きに検討するケースが多くなります。
特に、高齢者住宅への住み替えを考えている場合、生前に売却することで資金計画が立てやすくなるメリットがあります。また、条件によっては税金面での軽減措置が受けられる場合もあります。
一方で、相続人が住み続ける予定がある場合は、不動産として残すことが有利になることもあります。それぞれの家庭状況に応じた判断が必要です。
古くなった実家の主な売却方法
築年数が経過した住宅の場合、売却方法はいくつか考えられます。
- 古家付き土地として売却
- 建物を残したまま売る方法で、解体費用が不要なのが特徴です。
- リフォームして売却
- 見た目の印象は良くなりますが、費用回収が難しい場合もあります。
- 更地にして売却
- 売却しやすくなる反面、解体費用が必要です。
- 不動産会社による買取
- 早く現金化したい場合に向いていますが、価格は相場より低くなる傾向があります。
実家の整理も、大切な終活のひとつ
住み慣れた実家をどうするかは、簡単に答えが出る問題ではありません。
しかし、「まだ先の話」と先送りにするよりも、少しずつ情報を集め、家族と共有しておくことで、将来の選択肢は広がります。
終活は、残される人のためだけでなく、自分自身が安心してこれからを過ごすための準備でもあります。実家の扱いについても、無理のないペースで向き合っていきましょう。
実家の売却や活用については、不動産だけでなく相続や供養の問題とも深く関わります。迷ったときは、一人で抱え込まず、信頼できる専門家に早めに相談することが、後悔しない終活への近道といえるでしょう。

