永代供養は比較的新しい供養の形態であり、1985年に比叡山延暦寺が初めて永代供養墓を設置したことが始まりとされています。その後、1987年に新潟県、1990年には東京都の寺院にも広まり、各地で導入が進みました。特に新潟県は全国でも比較的早く永代供養が始まり、当時はさまざまなメディアにも取り上げられ注目を集めました。本格的な普及は、インターネットの普及が進んだ2000年以降とされています。
法的には、1999年の「墓地、埋葬等に関する法律」の改正により、無縁墓からの改葬手続きが簡略化され、永代供養墓への移行が容易になったことが、永代供養が広まる大きな要因の一つとなりました。現在では、全国の多くの寺院が永代供養墓を運営しています。

当初は永代供養墓に対して消極的な意識を持つ人もいましたが、供養や管理体制の充実により、安心して利用できる環境が整備され、人々の意識も大きく変化してきました。社会的な背景としては、少子化により後継者がいない人の増加が挙げられます。さらに、後継者がいる場合でも、後世に世話や負担をかけたくないという考え方が広まり、葬儀では密葬や家族葬、お墓では永代供養の需要が高まっています。
また、現代社会では多様性が尊重され、未婚率や離婚率の上昇により、シングルの方やさまざまな事情を持つ方々が永代供養を重要な選択肢として受け入れています。
永代供養は比較的新しいスタイルではありますが、現代人の価値観に合致しており、日本の墓文化は大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。